「もう、きみには頼まない」(城山三郎)を、読む。

 

石坂泰三。

 
おそらく自分と同じ20代の人たちはまず知らないだろう。
 
だからこそ読む価値のある本だ、と自分に言い聞かせている、というのもある。
 
ノルウェイの森に出てくる永沢さんは主人公のワタナベトオルに初めてあったとき、このような言葉を言っている。
 
「他人と同じ本を読めば、他人と同じものの考え方しかできなくなる。そんなものは俗物の世界だ。」
 
この考え方はひとつの差別主義ともとれるが、これが生存戦略上、大変有効な考え方であると思う。
 
そもそも、みんながみんな同じ、である世界は面白いわけがない。多様であるから世界は面白くなるのだ。
 
そういう思いから、城山三郎を読む。
 
石坂泰三を知ったのは半年ほど前だ。
 
当時僕は土光敏夫の本を読んでいて、そこで土光が尊敬している人物に石坂泰三の名が挙げられていた。
 
 
土光敏夫も、今の20代の人はまず知らないだろう、しめしめ。。。」
 
と、このような調子で私は「ひとと違う」路線をいき、唯一的な存在とならんことを企図している、やらしい存在である。(汗)
 
それはとりあえずいいか。。
 
さて、「もう、きみには頼まない」。
 
非常に「気持ちのいい」本である。
 
「もう、きみには頼まない」という言葉は、石坂が通産省にある建物の払い下げを、何度もお願いしに行っても、全く取り合ってくれず、そこで出た言葉だ。
 
つまりこの言葉は、どんな権力者にも屈しない、ひとつの決然とした、気概、胆力のある言葉である。
 
それはまた、「漢の中の漢」を感じさせる言葉だ。