またまた「村上さんのところ」から ──松下幸之助翁の言葉を参考に──


How did you become so disciplined? - 村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト

 

 要するに「村上さんはどうしてそんなに規則正しいのですか?」という質問である。

 村上春樹氏は確か、毎日4時頃には起き、午前中は原稿に集中し、午後はランニングや水泳をして体を鍛え、夜は10時頃にはもう床についてしまう、という生活を若い頃からずーっと続けている、と、この読者が言うように、わたしも村上氏の何らかの書物で読んだことがある。

 村上氏は、

「これが『私の』(MY)スタイルであって、これが自分にとって最適なんだ。別にあなたは私の真似をする必要はないよ。あなたは『あなたの』(YOUR)スタイルを発見すべきなんだよ」

  といった旨のことをおっしゃっている。

 これは誠に至言ではないだろうか。

 自分にとても憧れる人、つまりロールモデルがいたりすると、その人と完全に同化したいというか、その人のようになりたい故に、行動パターンであったり、思考作法であったり、勉強法などをまるまるコピーしようと思うのは、よくあることだ(私なんかまさにそうで、すぐパクろうとする性癖である…)。

 しかし、私とその憧れの人は、全く別の人、赤の他人なのであるから、そっくりそのまま真似ることなどできるはずかない。

 ゆえに、村上氏がここでおっしゃるように、「自分に取っての自己最適、ベターな状態、スタイルと見つけるべきなんだよ」というのが『筋』である、ということなのだろう。

 そういえばかの松下幸之助翁も、村上氏と似たようなことをかつてNHKの番組において語っていた。

 確かこんな内容であったと思う。

むかし山岡荘八さんの「徳川家康」っちゅうのが流行ったでしょ。あれ大阪のビジネスマンみんな読んどるんですよ。わしも勧められましてね。「読んだらおもしろいぞ」と。

でもね、わし家康と違うんやから、家康だったらできるけど、家康じゃないぼくが家康のことしたら失敗する。

だから、あなたはあなたの生き方、私は私の生き方が、おのずとあっていいわけです。

それにね、同化するというのは、危ないすな。

自分というものをしっかりもっていないといけない。自分はこうだ、と。

しかし、参考に頭にいれておこう、と。

そうすると、なんか自分のものになるわけでんな。

そして、自分のものにして、出す、と。*1

 松下翁はこう語る。

 全くもって論理的であり、それでいて本質をついている感がある。

 村上氏、並びに松下翁の言葉から、様々なるものを吸収していって、結果的に自分(アルテマ)だけの始原的なるものというか、オリジナリティーを出し、それ相応の(?)ご評価を頂戴できるようになりたい、と、つくづく思われたのであった。

 

*1:NHK映像ファイル 「あの人に会いたい」1 [DVD] 8.松下幸之助(松下電器創業者)