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「Nikon」とは何か ──語感の響き、或いは「なんとなく」についての一考察──

「つい」「なんとなく」惹かれて…

 先のBlogでも書いたように、私は3月末までは一応「大学院生」であるが、一人暮らしのアパートを解約し、またバイトも辞め、実家に戻っているので、はっきりいってニート状態である。

 というわけで、読書したり新聞読んだり、クルマの運転の練習したり、地元の市中をぶらついたりする毎日である。

 昨日は服とか靴を買いにいったのだが、結局スラックスを一本買っただけで、後は駅前の大きな本屋さんでしばらくうろうろしていた。

 本屋さん、つい見つけるとはいってしまうのである。

 これは完全に「なんとなく」の次元である。

 つまり、うまく言えないのだ。

 とにかく、なんだか分かんないけど、アタマよりも身体がまずもって「そっち」のほうに引っ張られていってしまう感があるのだ。

 アタマで「服買わなきゃ」と思ってても、身体が「本屋行きたい」となる、というか、気づいたら行ってしまっているのだ。

 なぜか。

 なぜだかよく分からないが、ともかく自分にとって本が、あるいは本屋という存在は、とても言葉で言い表すことができないくらい重要なものであるということだろう。

 こういう、論理では説明できない、「つい」「なんとなく」という次元の事象(?)には、ひょっとしたら人生の鍵がそこに眠っているのではないか、と、個人的には思う。

 これからもこういった、言葉では説明できない、「つい」「なんとなく」という感覚は、大事にしていきたい。

 

ニコンの語源

 そんなところで、本屋でしばらくぶらついて、面白そうと思った、以下の雑誌を買った。 

 これはつまり日本で日本語を学ぶ外国人向けの雑誌で、バイリンガル仕様のものだ。

 ちなみに、この定価は500円ですので、間違っても上のリンクからAmazonで買わないでくださいね…笑

 この雑誌のなかの記事で、”Pioneer in Optical Devices Soon to Celebrate its Century”(創業から間もなく一世紀をめでたく迎える光学機器の先駆者)というタイトルで、Nikonが特集されている。

 そこでNikonの名前の語源がのってた。

 要約すると以下のようになる。

 Nikonという名前は、日本光学工業がかつて販売したカメラの名だが、最初は「ニコレット」という名前だったらしい。しかし社内から「将来の主力となるべき商品の名前としては弱い*1」という意見が多数でて、ニッコー(日光)の後にnをつけて語感を強くしたNikon、が採用された、とのこと。

 なるほど、そんな経緯があったのか。

 しかし、このエピソードから、商品それ自体の性能ばかりか、ネーミング、つまり名前、さらにいうと言葉の力、いや、言葉の現実変成能力というものはやはり恐ろしく高いものなのだな、と思い知らされた。

 これ、仮に「ニコレット」で出したら、確かに売れなかっただろうし、それ以前に反対した社員一同の、今後の士気をも下げる事態となっていただろうな、と、私は推察する。

 しかし、「ニコレットがいやで、ニコンがいい」というのも、つきつめていえば「なんとなく」の次元ではあるまいか。

 やはり、こういった「言葉で説明がつかないもの」というものが、我々が生きていく上で「最後に残るもの」なのではないか、と思い知らされた。

*1:強調はアルテマによるもの