虐待は私はされたことがないし、また仕事上小学生と接するが、決して体罰なんてことはしようとも思わないから、逮捕された父親の気持ちがどうしても理解することができない。
ひょっとすると、この父親は過去に親に虐待を受けていたのかもしれない。
誰もが「親」という立場は人生初めてだから、ロールモデルとなるのは当然自分自身の親だろう。
親が自分を育てた仕方で、自分は子を育てようとするのかもしれない。
私の親は決して子供である私に手を出したことはなかったが、怒鳴り散らすことは多々あった。
そのため、私が今の学習塾講師の仕事を始めて最初のころは、子供たちを叱るときはどうしても大声を出して怒鳴り散らすことが少なからずあった。
しかしそれを繰り返していくと自分自身が何より消耗し、また罪悪感に駆られ、その上生徒たちとの関係がギクシャクしてしまっていることに気づいた。
そんな失敗を身を以て知って、菊池省三先生の本やDVDを見て勉強するようになってから、決して怒鳴ったりすることなく、悟るような仕方で叱るようにした。
そのようにしていったら叱った後の気持ちや疲れだけでなく、生徒たちとの関係も決して悪くなるようなことはなくなった。失敗から学ぶことができた。
今回のニュースの話に戻すと、この父親は子育てを「教育」という大きな大きな仕事とは捉えず、まるでプラモデルや機械をうまく操作できるかどうか? みたいな認識でいたのではないだろうか。
子育てを始めとした教育という仕事は、生身の人間が相手であるからこそ、考え続け、こっちが変わり続けなければならないのだと思う。