橋本治という作家、ご存知ですか。
内田樹が憧れていた作家である。実際に彼は橋本と対談をしているくらいだ。
私は内田氏の本2008年頃から沢山読んできて、その中でしばしば橋本が引用されていたので、名前とまたその他の誰にも似ない文体を知っていた。
彼の本で衝撃を受けたのは、この本だ。
この本の冒頭は、こうだ。
「人はなぜ「美しい」ということが分かるのでしょう? 知りません。 知っていたらこの本を書く必要がありません。 だから今から考えていくのですよ」
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なんだ、これは?!
岡本太郎ではないが、冒頭から腰を抜かした。
なんだかまるで目の前で橋本が私に語りかけてくるような文体・・・。
これが、プロ中のプロの作家か・・・。
この本は8年ほど前に読んだけれど、今でも冒頭を覚えているくらいなので、大変衝撃を受けた。
そんな彼がなくなったとは。
一つの時代の終わりを告げたかのよう。